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11.“ヘボ彗星”接近中 [星空への招待]

 思いのほか早い梅雨明けを迎えた11日の夜はすばらしい星空が広がり、待ってましたとぱかり上高地駐車場のアスファルトに座り込んで星空を眺める男が一人おりました。理由は定かではありませんが、上高地はとくに夜の晴天率が低く、月明かりもない好条件下で星の観測ができる日はたいへん貴重なのです。星との語らいを精神安定剤のように感じている者にとって、曇天や雨天つづきの日々はドラッグが手に人らないのと同じで、辛いことです。かといって晴天続きも“睡眠不足”を招くし、ほどほどに晴れてくれることを望みます。 …それはさておき、その夜はペンライトに星図、双眼鏡を片手に、お目当ての天体捜しをしました。
 日本人は長い呼び名を略して言う悪い癖があります。その星も例にもれず、“HB彗星”とか“へ・ボ彗星”と表記されたりしていますが、正しくは「ヘール・ボップ彗星」といいます。これからハレー彗星や百武彗星以上に天界をにぎわし、マスコミにも盛んに取り上げられていくことは間違いないでしょう。なにしろ天文の分野では、世紀末に現れた“世紀の大彗星”と昨年7月の発見当初からすでに大騒ぎなのです。
 その後の追跡観測で移動を確認しましたので、たて(楯)座に見えたヤナギの柳紫のような淡い星像が、只今接近中のヘール・ボップ彗星であることは間違いなさそうです。今なら夜更けの南の空に煌々とかがやく木星が目印となり、そのちょっと上のほうと見当を付けることができます。7等星級の明るさなので、いくら上高地の空でもまだ肉眼では見えないようです。でもご安心下さい。地球に最も近づく来年の3月には-2等星クラスになると予報されており、悪い方に予報が外れたとしても、百武彗星の記憶も新しいうちに再び肉眼で見つけられる彗星に成長することはほぼ間違いなく、予報どおりなら歴史に残るすばらしい大彗星と私たちは巡り逢えることになります。
 こんなたいへんな訪問客を“ヘボ”などと呼んで良いものでしょうか。せめて親しみを込めて“ヘボちゃん”くらいにしておきましょう。 

 

「マガモ新聞」No.132(1996年8月1日、上高地ビジターセンター発行)より


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Grandma Rumi

天体望遠鏡は設置の場所がないことも考慮して諦めていますが、せめてプレデアス星団が宝石箱の様に見えるくらいの双眼鏡が欲しいのです。明治生まれの人から譲り受けた双眼鏡は20Xとありますが、1.5㎏くらいはあって私の細腕?では何分ももちませんし、精度を上げるとぶれて何も見えません。光学機器にはまるっきりウトいのでどの程度のモノを買えばいいかアドバイスを頂戴したいのですが…。
by Grandma Rumi (2006-01-09 11:24) 

あさお

アドバイスというほどでもありあせんが、20×○○という表示は倍率を表しています。20倍ですね、手持ちではブレてきついでしょう。三脚に固定する必要があります。
ちょっと前は7×50(つまり7倍でレンズの口径が50ミリ)くらいが星見には良いという話で、私も最初にこの双眼鏡を買いましたがやや大きく重いです。
旅行に持ち歩くとか、ちょっと景色も楽しむなど気軽に扱うには8×30とか8×24くらいはいかがでしょうね。このくらいのサイズのを実際お店で手にしてみて、デザイン的にも気に入ったものがあったら購入されては。
バードウォッチングにもこのくらいが適当ではないかと思います。私は8×24というのをいつも机に置いています。メーカーには注意ですね。やはり日本の名の通ったメーカーのものでしたら性能は間違いありません。
新聞の通販などで見かける異常に倍率高いものや安いのはNo Goodです。
by あさお (2006-01-09 16:55) 

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